黄砂発生のメカニズム

黄砂とは、文字通り「砂」の種類ですが、その由来は主として中国のゴビ砂漠やタクラマカン砂漠や黄土地帯で偏西風によって吹き上げられた多量の砂塵が、上空の風に運ばれて日本まで飛来し、降下する現象のことを言います。 この現象は気象の影響によるもので、主に3~5月の春期に多く見られ、飛散の多いときには、実際に空か黄褐色に見えるほどで、現象を目視で確認することが出来ます。

黄砂の組成


黄砂は砂としては粒子が小さく、約0.5~5μm程度の粒子で一般的には4μmくらいのサイズがピークになります。そのため、地質学的な分類では、厳密には砂ではなく泥になります。組成としては、基本は一般的な砂にも含まれる成分が存在しており、石英、長石、雲母などを含みますが、特徴として硫酸カルシウム、硫酸アンモニウム等の他に、炭酸カルシウムを10%以上も含んでおり、アルカリ性を示す特性があります。黄砂がアルカリ性であることを示す事例として、通常の降雨時にはpHが酸性なのに対し、黄砂飛来中には7前後と高くなり、アルカリ性を示す場合が多いことがわかっています。これはカルシウムイオン(Ca2+)濃度の増加によるものですが、黄砂中の主要鉱物であるカルサイト(炭酸カルシウム)が、雨水中の過剰な酸性イオン種(硫酸イオン、硝酸イオン、塩化物イオン)濃度に対して中和反応的に溶け出したため、pHがアルカリ寄りに変化したことになります。また、近年では異なる視点から、ミネラルを多く含んでいることが、環境に対して、場合によっては良い影響を与えるという見方も出てきています。

多様な黄砂の組成

黄砂は飛散していく過程で大気中の様々な粒子を吸着し、化学反応を起こしており大変複雑な組成となっています。そのため、発生源によってその組成が異なることはもちろん、飛散するルートによっても組成が異なってきます。例えば、黄砂の粒子を触媒として、大気中の硫酸アンモニウムが湿気によって黄砂に吸着し、黄砂に含まれるカルシウムがアンモニアと化学反応し、硫酸カルシウム(石膏)に変化することがわかっています。また、黄砂の発生源とされる地域を区分し、それぞれの黄砂に含まれる成分を分析したところ、1つの地域ではケイ素が最も多く含まれており、別の地域のサンプルでは二酸化ケイ素が多い等、それぞれに異なった特徴を持っています。

黄砂が車両に与える影響

黄砂は組成のところで触れたように、アルカリ性を示す性質があります。これはアルカリ性となるカルシウムイオン(Cd2+)などの成分が水に溶解して溶け出しやすいため、黄砂が塗装面に付着した状態で雨に降られると、塗装面上にアルカリ成分が広がって残留するため、洗車をした際には撥水コーティングがしてあるような場合でも、一時的に塗装面が撥水しない状態になります。アルカリは塗装面に残留しやすく、中性タイプのボディシャンプーなどで洗浄しても残りやすい性質があります。しかし、このアルカリ自体はpH8程度が一般的で、塗装に対して急激な攻撃性があるというほどではないと考えられています。

カルシウムによる弊害

むしろ、もう一つの問題として、黄砂に多く含まれるミネラル分は、イオンデポジットの原因となるカルシウムイオンやマグネシウムイオンが主体であるため、黄砂が塗装面に付着した状態で雨が降ったり、夜露などの湿気を含むことで、容易にイオンデポジットが発生してしまうということがあげられます。この現象は、黄砂に限らず、日常の洗車による水道水や井戸水の使用でも見られる現象ではありますが、黄砂の場合にはその原因物質がよリ多く含有されているため、現象が起きやすくなります。

カルシウムによる弊害

デポジットはカルシウムなどの成分が、水に含まれた状態で塗装面に存在した場合に、水滴として蒸発をした場合に発生します。黄砂に含まれている炭酸カルシウムなどが、水に流れ出し、水分が蒸発する際に水に溶け込んでいた二酸化炭素や酸素などと結びつき、堆積して白い固形物を形成します。さらに、水分が付着した際に、固有物が壁の役割をして同じところに水滴か出来ることで、蒸発と堆積を繰り返しより強固な固着物となっていきます。

黄砂が塗装面に堆積しています。

降雨によって残った水滴の表面張力で黄砂が集まり始めます。

その後水分の蒸発によりこのように黄砂が塗装面に固着してしまいます。

最終的に水滴の一端に黄砂が凝縮されているのがわかります。

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